水のきれいな町で出会った工房
調理中のプチストレスを解消してくれるキッチンツールを、日本の職人さんに木で作ってもらいたという思いで、今回は栗きんとんで有名な岐阜県中津川市にある自然豊かな森に囲まれた工房にお伺いしました。
伊勢神宮の式年遷宮に用いられるご神木の産地でもある、付知町にある工房です。
付知はとにかく水がキレイで、川は底がくっきり見えるくらいの透明度で驚きました。
良い木がが出ると連絡がくるんだよ~とおっしゃられるだけあって、工房の周りには木材がたくさん積まれていました。
反りが出ないように乾燥させて保存されています。
ほとんどが手作業!?職人の手が生み出す形
お伺いするまで、サンプルを送っていただいて確認するやりとりはしていましたが、どうやって製造しているのかとても気になっていました。
見せていただいて思ったことは、
「えっ、、、ほとんど手作業、、、なんだかごめんなさい💦」
でした。
調理で汚れた先端を机に付かせないようにするための突起を作るのに、手作業で折れないように削っていかないといけないから大変なんですよ。とは聞いていました。
最初の方のサンプルは、持ち手が太めで手にしっくりこなかったので、もっと薄く、もっと細くしてほしいとお願いしたのですが、薄くすると折れたりヒビが入るので難しいなぁ~というお返事でした。
そんな返答だったのでやはり木で作るのは難しいかな~と半ばあきらめていましたが、試作を重ねていただき、次に見せていただいたサンプルでは、希望通りにしっかり薄く細くしてくれる、THE職人の技が光るものが出来上がってきました。
平らな木から形が生まれるまで
このような感じで、平らな木から形を作り出して、だんだん薄く細く削っていきます。
調理スプーンもこのように切り出していきます。
削り出すサンダーを使い分けて、手に馴染むように、なめらかに丁寧に仕上げていただいています。
蜜蝋でぐっと表情豊かに
蜜蝋を塗って仕上げてもらうのですが、塗るとこんなに色が変わるんです。
手仕事から生まれた木曽の桜の道具たち
表情豊かな桜は、同じ桜でも色んな木目があります。
色も、繊細なピンク色から淡い茶色に変化する独特の色合いが魅力です。
白太と呼ばれる白い部分がある木もあります。
丸太を切ってみるまで分からないので、狙って作れないのですが、白太が出たらカラーを分けて販売しますね。
レアカラーなので、争奪戦かもしれません。
手間暇かけて手作業で1本1本丁寧に作っていただいた、木曽の桜の調理道具たちです。お迎えして色つやを育ててもらえると嬉しいです。